ザ・映画

新卒入社してすぐの5年前、えらい人が言っていた。
「良いサービスを提供するには、自分が良いサービスに触れている必要がある」

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映画『オッペンハイマー』
上映時間は3時間もあるし、プレミアムボックスシートに気持ちよく課金した。

目がそらせなかった。上映が始まってすぐのことだった。
限りなく澄んだ画や音、話の構成は、映画という形式でしかたどり着けないところにあった。この作品はホンモノなんだ、芸術の高みにあるんだと、当然の理解。劇場の巨大なスクリーンや重い音響もただこの映画のためのものになっていた。

えらい人の言葉が当時よりも沁みる。この映画をそばに置きたい。触れていたい。

仕事でもプライベートでもいいけれど、その域に達したものに囲まれながら、達しようとする人たちと、こういうものを創ってわたしは生きていたいんです!

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映画の内容は原爆の父と呼ばれた人の伝記本がもと。フォーカスがあたっていたのはオッペンハイマーという人物。
それでも、歴史に落とされた原爆は、日本にも世界にも消えることのない炎症。いくつかのシーンは嫌悪に似た恐怖で下を向きたくなる。劇場入口には閲覧注意の立札が置かれます。
手放しでオススメすることはできないけれども、私は2回観ました。

佐藤 那緒

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